2013/10/21

雄勝町の花 ハマユリ

 宮城県石巻市雄勝町の「町の花」である、ハマユリ(浜百合)をご存知だろうか。一般にはスカシユリ(透百合)といわれ、初夏になると海岸や崖に咲く姿が見られるそうだ。花弁と花弁の間に隙間があることから「透百合」という名前が付けられたという事だが、浜辺で咲くことから「浜百合」とも呼ばれるようになったのだろう。

ユリといえば白い花というイメージを持っている人が多いかもしれないが、スカシユリは主に橙色をしているそうだ。

宮城県内では、スカシユリの中でもヤマスカシユリといわれる、山地に生息する種類のものも多く咲くということである。


スカシユリ(版権フリーのサイトより引用 撮影:いわき市)

海岸に面した岩肌(撮影:田賀陽介)


 上の写真は、丁度2ヶ月前に雄勝へ行った時に立浜で撮影されたものである。私には険しい表情だと感じられた岩肌だったが、津波とぶつかり合った後の厳かさがあるようにも思う。この時にはまだハマユリという存在を知らなかったが、こういった場所などに咲くのではないだろうか。
雄勝へ現地調査に行った際には、開花時期が終わっていたためにハマユリを見ることはできなかった。来年の初夏にはまた雄勝を訪れて、ぜひ探してみようと思う。また雄勝のみならず、岩場や山肌を見てみると鮮やかな橙色のハマユリを見つけることが出来るかもしれない。

震災によって、以前より色を失ったかのように感じる場所もあるだろう。だがどのような場所であれ、その地域に住む人たちが、あたたかい自然の色味があると気付けるようなほんの少しの気持ちの余裕を持って過ごせたら良いと思う。 

(原田章江 記)





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